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添い寝

2006/06/14(Wed) 09:45
「もう、もう、もぉおーね」

彼女が息巻く。鼻息で、テーブルの上の書類が飛んじゃうんじゃないかと
ぼくは少し心配になる。

「疲れたぁーーー。」
くにゃんと顔を崩して、彼女が両手を広げる。
そのままの姿勢で目を閉じて動かない。

ふふってぼくは笑って。
しばらく彼女を見ていた。
キッチンのダイニングテーブルで、ぼくは持ち帰った仕事をしていたところ。
彼女は、「ただいまっ」ってドタドタと走って、ぼくの前に来て、そしていきなり「もうもう、もうね」だったというわけ。

まだ、彼女は目をつぶって、両手をあげてる。
彼女の顔には、本当に疲労が埃のようにこびりついていて。
もう、ぼくも我慢の限界。
立ち上がると、彼女をそっと抱きしめた。
「ふう」っと
彼女は、ぼくの胸のなかで息を吹き返した。
「落ち着く」って、ひっそりつぶやく。

「ご飯は?」って聞いたら、
「食べた」って、その声は、もう眠る寸前だった。
ぼくは、彼女の洋服を脱がしてあげると、彼女をバスルームに連れて行く。
生まれたままの彼女が一番綺麗。
こくん、こくん、半分寝てる彼女を、丁寧に洗ってあげる。
今日は、いたずらするのもやめてあげる。
彼女の顔から、すこしずつ、疲労の埃が洗い落とされていく。
ぼくは、それが嬉しい。石鹸の泡を、シャワーで洗い落す頃には、
いつもの穏やかな優しい彼女の顔に戻ってた。

・・・ありがと

しずかに目をあけて、彼女がにっこりと笑った。

・・・あたしね。

彼女が言った。

・・・あなたが大好き。

・・・ぼくもだよ。

ぼくも答えた。

・・・あなたといると。

彼女の声は、夕焼けに染まった雲みたいだって。ぼんやり思った。

・・・添い寝してもらってるみたいにね。

彼女の髪は、春に降る雨みたい。

・・・やさしくて、包んでもらってる気持ちになるの。

それから、くしゅんっと彼女はくしゃみをひとつ。

ぼくはあわてて、彼女をバスタオルにくるむ。手のかかる子。いとしい子。

それから、彼女の手をひいて、ベットへ。

ことん、と彼女は眠りについた。ぼくの胸の中で。

ぼくだって、言いたかったことあるんだけどな。

ぼくもね。
君といるとね。
添い寝してるみたいにね。
君に包まれてるって思うんだよ。

君はぼくの腕の中だけど。

ぼくは、君に包まれてる。

まあいいか。

彼女の頬を、そっとつつく。

ふにんと、指が押し戻される。

彼女の寝息が、しずかに、揺れた。


添い寝

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